灼熱の魂


母親の遺言によって、死んだと聞かされていた父親が生きていること、また存在さえも知らされていなかった兄の存在を知る双子の姉弟
これまで知らされなかった母の足跡をたどる物語。


子どもである自分にさえ心を開かなかった母親に対して複雑な思いを抱く弟シモンは当初遺言に従おうとはしないで、
はじめは姉のジャンヌだけが母の過去に向き合おうとする。
そこにまず、男女の違いを感じるなあと思ったりした。
私のスタンスはちょいフェミ(フェミニストと言い切るにはややとまどいがある)なので、
女の人のほうが強いと思ってるし、男の人はみんなマザコンだと思ってる。ちなみにマザコンがすべて悪いと思ってるわけでもなく。
ただ、なんとなく女の人のほうが現実に立ち向かう際に強いなあと、乏しい人生経験になりに感じていて。
男の人は母という特別な女性に対しての特別なまなざしがあって、
女の人は自分も母になれるので、母というものに対しての期待値が低いのではないかという。
だから生前から変わりものだった母親の真実を知りたくない弟、
それを解き明かしたい姉という構造になるのかな、と。

ただ、その解き明かされる真実が、あんまりにもひどくて。
そんな目にあったら、なんらかの形で昇華されたいよな、という気持ちも分かるんだけど、
それを子どもたちに知らせちゃうの??
し知らなくていいこともあるんじゃないの??
そんな気持ちになってしまう映画でした。
でも映画としては本当に素晴らしいなと思います。
中東の乾いた風景と、重苦しいレディへの音楽がずーっとのこってます。