ミッドナイト・イン・パリ


作家志望のハリウッドの売れっ子脚本家が、タイムスリップして憧れの芸術家たちと親交を深めるお話。


予告編を見て公開をずっと楽しみにしていたミッドナイト・イン・パリ
パリにはかれこれ10年前に一度行ったきりで、正直あんまり覚えていないのだけれど、
おぼろげな記憶を呼び覚ましてくれる美しい風景がとても印象的でありました。


主人公は若いけどウディ・アレンらしいちょっと偏屈でこだわりやの男。
足の長さや顔の大きさが西洋人ぽくなくて、セーヌ河岸を歩くポスターがいまいち決まってない。
その感じもまたよし。


主人公といい感じになるのは「インセプション」で恐ろしいながらもインパクトある役を演じていたマリオン・コティヤール
この映画でも芸術家たちに愛されるミューズの役で、少しゆっくりめの話し方と甘い声が魅力的でした。
くりっとした目に長いまつげ、ひざ下のスカートからのびる足もきれい。
後半から登場するレア・セドゥ(MI:4の美貌の殺し屋サビーヌ・モロー)はすらっとしたモデル風美女だし、婚約者のレイチェル・マクアダムスは小動物っぽい親しみやすい雰囲気。
こう考えると、主人公の好みの一貫性のなさがやや気になる。


少し前に見た「ゴーストライターホテル」(これはかなりひどかった)も文豪たちの幽霊が作家志望の主人公の前に入れ替わり立ち替わり現れて、という話だったので、少し近いものを感じました。
あの映画も、もっとちゃんとやればかなり面白かった気がするんだけどな・・・。
作家をやった吉本芸人たちにちゃんと勉強させればよかったのに。


展開はオーソドックスなんだけど、婚約者の「パリは恋の街だもの!」のセリフとそこからの救済、皮肉たっぷりのオチはらしいなあという感じ。
芸術家枠ではインパクトたっぷりなダリと、可憐でほうっておけないゼルダが特に印象的。


1920年代の芸術家の知識(といっても名前知ってるくらいでじゅうぶん)があればなお楽しいけど、コメディ要素とパリの風景だけでもかなり楽しめると思いました。