新しい靴を買わなくちゃ
復活がこの映画なのはどうなのって気もしつつ、書きやすい映画だったので。
パリにいる恋人カンゴ(綾野剛)を追ってきた妹スズメ(桐谷美玲)に同行させられたセン(向井理)がひょんなことからパリ在住の日本人アオイ(中山美穂)と出会って。。というお話。
北川悦吏子脚本。
まとめるとスイートさにニヤニヤしつつ、むずがゆさが止まらない、そんな2時間でした。
自分自身が大人になったので、そんなうまくいくもんかい、という視線が身についたこともあるし、
世の中の流れも夢みたいなラブストーリーよりもシビアで苦みのあるものが主流になりつつあるので、
こういうストレートに甘いお話って久しぶりに見たなあという気持ち。
思えば私がよくドラマを見ていた中高生くらいの頃までは、こういうのをよく見ていた気がする。
出会ったばかりの二人が(3日間しかないからというのもあるけど)、たくさんのおしゃべりでお互いの距離いくところが気持ちいい。
私自身も「あ!この人いい!」って思ったとき、脳内麻薬が出まくって相手のことも知りたい!自分のことも話したい!
とものすごくおしゃべりしたくなるのでなおさらに。
(これは恋愛に限らず、友人でもなんでもそう)
セリフはひたすら少女漫画みたいで、トレンディドラマをくぐり抜けてきたミポリンはさすがに板についていた。
泥酔しておんぶ、突然のウエディングドレス姿披露とか少女漫画シーンももりだくさん。
ただ他の下の世代のキャストたちはいまいちもてあます感じだったのがやや残念。
特にムカイリーが電話で怒ってるときの「ドアホ!」とか、マンガすぎてなんだか。。
でもただでさえ絵になるパリの町並みと、甘くてほわほわした映像が、ファンタジーなんだからね!という雰囲気を貫いていて、それはそれでありなのかな。
ちなみにカンゴとスズメカップルはひたすらイチャイチャしているバカップルで、
見終えた後20代前半くらいの女の子が「スズメがまじむかつくわー」と言っていたのだけど、
私はスズメが最後にする告白と決断を含めてとても今の女の子っぽくて強くていいなあと思ったりしました。
甘えるところは甘えるけど、大切な決断は自分でする。
一方のアオイは年代も違うし癒せない傷を抱えているのだけれど、そんな彼女を年下のセンはボンクラだけど受け入れて甘やかし続けている。
エリコ先生の妄想爆発!みたいに言われているけれども、ひととおりいろいろ戦ってきた大人の女性が癒されて甘やかされるフィクションがあってもいいんじゃないかしらー、と思ったりしました。
今やっているドラマ「結婚しない」でもいい歳した女性に世間が甘くなくて、そっち側になりつつある私としてはワーン!となる部分も大いにあるのでなおさらかもしれない。
ただ、見ようによっては村の狂女の妄想のような映画でもあります。。
ほんとにいいと思ってますよ!
愛と誠
札つきの不良少年誠と、彼に恋をした天真爛漫なお嬢様愛の物語。
原作は超有名な梶原一騎の劇画。
読んだことはないけれど、私が読んできたような漫画とは一線を画すものだということだけは知ってました。梶原一騎だし。
公開直後からTwitterでは賛否両論で、正直私はダメなんだろうなーと思いつつ、
入りも悪くてまもなく終わってしまうと聞いたのであわてて見に行ってきました。
見終わって、というか見ながらの感想としては、思ってたほど変な映画じゃないじゃん!
ということ。
アニメで始まるし、突然歌い出すし、わけわからないといえばわからないけど、
すでにそういう事前知識を入れて(しかも私でさえも三池監督は独特という先入観あり)たせいなのか、
すんなり物語の世界に入り込めました。
ツッコミどころ満載!なんて言われていたけれど、
テンション高い展開の中で登場人物たちがつっこんでくれることもあるというほど良いクールさがとても良かった。
もちろん声高にオイオイオイオイ!とか言ってこちらをしらけさせるでもなく、すべてにつっこむようほど野暮でもなく、というところがミソ。
放りっぱなしでこちらにつっこませる瞬間も持たせる余裕。
見る前に不安視していたのは、愛役の武井咲ちゃんがはたして天真爛漫なお嬢様にみえるのか?ということ。
ツリ目であるというだけでなくて、なんとなくヤンキー臭が漂う彼女にお嬢様役が務まるのかな??と心配でした。
でも完全に杞憂で、というのもこの映画にとってリアリティは重要じゃないみたい。
(つまりお嬢様にはみえなかった)
というのも誠を演じるブッキー(31歳)だってとても札つきのワルには見えない。
衣装やセットも過剰で、なんちゃって感があるぐらいでちょうどいい。
メタヤンキー映画というといいのかな。
なので、リアリティのあるなしとは別でキャストがとても良かった。
主役の二人はもちろんだけど、ほんとは男前なのに気持ち悪い岩清水になりきる斎藤工、現役高校生なのに「夢は夜ひらく」を歌う大野いと、キュートなスケ番安藤サクラ、高校生役を演じる伊原剛志(もはやなんちゃってでさえない)、そして安心の余貴美子。
全員が本気で変なことをするので、こちらはもう心を預けるだけでした。
特に大野いとちゃんは初めて認識した女の子だけど、PerfumeののっちとAKBのまえあつを足して2で割ったようなかわいらしい顔立ちで、
見せ場では欽ちゃんの仮装大賞みたいなセットで幼女コスプレまでしてくれてすてきでした。
そういえばビジュアルもとても印象的。
荒れた高校花園実業は、なにここごみ焼却場?というくらいのゴミっためで、あちこちから火がくすぶっている。
花園実業の番長ガム子は長いセーラー服着て足元はアジアンテイストなキラキラビーズ付きミュール。
手下のスケ番もセーラー服の上にヒョウ柄ジャケット着てたり、へそ出しファッションだったり。
花園実業内のラクガキやごみはどんなものなのかじっくり見たくなるし、不良たちのハイブリッドすぎて斜め上のファッションもじっくり見たいのでビジュアルブックがあればぜひ欲しいなあと思うしだい。
万人に勧められる映画ではないのかもしれませんが、思うほど変な映画ではないと思います。
少なくとも私はかなり好き。
いろいろ話したくなるタイプの映画です。
星の旅人たち
妻を亡くし、ひとり息子とも没交渉ぎみの老眼科医が、いつもの仲間と退屈しのぎのゴルフのさなかに受ける息子の訃報。
息子が遂げられなかった巡礼の旅に向かう父の物語。
なんとなくおもしろそうかなー、とふんわりした気持ちで見に行ったのに、冒頭からこれは傑作なのでは・・・!とふるふるしながら見入ってしまいました。
ビールも飲んじゃってたし、のんびり映画だから寝てしまうことさえ危惧していたのに。
巡礼の旅に出た先で出会う仲間たちがユニーク。
主人公も決して信心深いわけではないけれど、オランダ男は肥満解消のためだけれど行く先々で美食ざんまい、カナダ女は禁煙のためなのに道中チェーンスモーキング。
アイルランド男(作家)はスランプ解消のため、息子を亡くした父にドラマを求めてくる。
みんな大人だからつかず離れず。でも聖人じゃないからときどきよけいなことをするし言ってしまう。
ゴールは同じ、でも目的は違う4人の会話がとても良かった。
会話のないシーンにはスペインの自然と、町と、古くからの建造物。
風景が美しいから、地味めな物語でも目が楽しめる点でいろんな人に勧めやすい気がします。
純粋になにかを信じることは美しいけれど、それしか見えなくなるというのではなくて、
何かを信仰することでもう一つ高い視点をえられるのであれば、それが本当に理想的だな、ということを考えました。
上半期ベストのひとつ。
ミッドナイト・イン・パリ
作家志望のハリウッドの売れっ子脚本家が、タイムスリップして憧れの芸術家たちと親交を深めるお話。
予告編を見て公開をずっと楽しみにしていたミッドナイト・イン・パリ。
パリにはかれこれ10年前に一度行ったきりで、正直あんまり覚えていないのだけれど、
おぼろげな記憶を呼び覚ましてくれる美しい風景がとても印象的でありました。
主人公は若いけどウディ・アレンらしいちょっと偏屈でこだわりやの男。
足の長さや顔の大きさが西洋人ぽくなくて、セーヌ河岸を歩くポスターがいまいち決まってない。
その感じもまたよし。
主人公といい感じになるのは「インセプション」で恐ろしいながらもインパクトある役を演じていたマリオン・コティヤール。
この映画でも芸術家たちに愛されるミューズの役で、少しゆっくりめの話し方と甘い声が魅力的でした。
くりっとした目に長いまつげ、ひざ下のスカートからのびる足もきれい。
後半から登場するレア・セドゥ(MI:4の美貌の殺し屋サビーヌ・モロー)はすらっとしたモデル風美女だし、婚約者のレイチェル・マクアダムスは小動物っぽい親しみやすい雰囲気。
こう考えると、主人公の好みの一貫性のなさがやや気になる。
少し前に見た「ゴーストライターホテル」(これはかなりひどかった)も文豪たちの幽霊が作家志望の主人公の前に入れ替わり立ち替わり現れて、という話だったので、少し近いものを感じました。
あの映画も、もっとちゃんとやればかなり面白かった気がするんだけどな・・・。
作家をやった吉本芸人たちにちゃんと勉強させればよかったのに。
展開はオーソドックスなんだけど、婚約者の「パリは恋の街だもの!」のセリフとそこからの救済、皮肉たっぷりのオチはらしいなあという感じ。
芸術家枠ではインパクトたっぷりなダリと、可憐でほうっておけないゼルダが特に印象的。
1920年代の芸術家の知識(といっても名前知ってるくらいでじゅうぶん)があればなお楽しいけど、コメディ要素とパリの風景だけでもかなり楽しめると思いました。
ル・アーヴルの靴みがき
フランスの港町ル・アーヴルで暮らすマルセルが、ひょんなことから不法移民と同居することになって・・・!?
公開を楽しみにしていた一本。
主人公のマルセルは靴みがきを生業にしているけれど、今日び靴みがきを必要とするような靴をはく人もそんなにはおらず、売上はいまいちな日々。
それでも(むだに)誇り高い彼は、妻のアルレッティには見栄を張っている。
実はアルレッティは治る見込みの低い病気にかかっていて、ある日入院するが、マルセルの身を案じて病状に気付かれないようにと彼を病院から遠ざける。
そんな中でマルセルは不法移民の子どもイドリッサに出会って・・・。
ヨーロッパ映画で見かける不透明絵具で描かれたようなべたっとした色の画面で、アルレッティのおばちゃんなのにやたらかわいい衣装がとても印象的。
髪型も乙女でとってもかわいい。
出てくる人はおっちゃんおばちゃんばかりだし、みんなあんまり裕福ではないし、決して華やかな雰囲気はないんだけれど、渋めの音楽がマッチして気持ち良く見られました。
セリフもいたってシンプルで、よけいな説明はないのにみんなの気持ちの移り変わる様子がすっと入ってくる。
特にイドリッサをかくまいはじめてから、それまでかっこつけでツケを払わないマルセルは近所からいやな顔されたりもするんだけど、それがなくなっていく様、大団円に向かう流れ。
とっても素敵なファンタジーでした。
もう一度くらいみたいなあ・・・。
君への誓い
交通事故で記憶を亡くした愛妻の愛を取り戻す男の物語。
キュートで華奢なペイジとマッチョで優しいレオのカップルが美しくて、見ていてとても気持ち良かった。
特に二人の結婚式のシーンはレイチェルの愛らしさが炸裂。
ピンクのミニドレスがとても似合っていてかわいい。
かわいいといえば、途中でブルネットから髪の色を明るくしてしまうんだけど、
黒っぽいほうがペイジの幼さの残るかわいさが引き立って似合ってたような。
というかレオが優しすぎて、ツイッターお友達の方と話していたけれどあんな優しいいい男が「君の夫なんだ」なんて言ってくれたら、ふつう喜んじゃって嘘かもしれないけど取りあえず乗っておく。
ちなみにレオは話題になりまくってますがむだに脱いでご自慢の体をがんがん主張してくれます。
実話ベースの物語ということなので、出てくる人たちがきれいすぎるくらいに描かれていてややパンチが足りない気もしたけれど、ストーリーの流れは無理ない感じがしたので無問題。
君への誓い/ル・アーヴルの靴みがき
映画の日だったので、もうすぐ終わってしまうル・アーヴルの靴みがきを見ようとは決めていたのに、レイトしかなかったからその前にももう一本見たいなあ、と思ってふだんは見ない純愛ストーリーものも見た日でした。
「君への誓い」は完全ノーマークだったけど、ツイッターでちょこっと評判良かったのと、今日が初日だったからというだけの理由で見てしまった。